三和製紙 株式会社

ベテランも若手も和気あいあいと働く
伝統技術の和紙と近代技術の不織布が融合する開発型企業
清流・仁淀川を流れる清らかな水を使用し、土佐和紙の特性を守りながら、常に最先端の技術を取り入れ、品質向上に注力している三和製紙。平安時代を起源に、約千年の歴史を誇る土佐和紙は現代の生活においても必要不可欠な存在。
まだどこの家も日本家屋ばかりだった昭和37年に土佐市で誕生した「三和製紙」。創業当時は、どの家庭にもあった障子に貼る障子紙を製造する会社だった。その後、一般家庭にも普及が始まってきたティッシュペーパーの製造をスタートし、より繊細な製品技術に磨きをかけた。さらに、近年様々な製品で見かけるようになった、繊維を織らずに組み合わせたシート状の紙「不織布」に着目し、製造を始めた。現在は、パルプ入りのものやマイクロファイバー、長繊維の不織布など他社と差別化を図った商品展開で成長を続けている。
同社の製品の特徴は、どれも土佐和紙の技法をベースとしていること。農業からインテリア、建築に食品包装、化粧品や医療・衛生までその用途は幅広い。ウエットティッシュやパックをするときのフェイスマスクなど、同社の製品が使われた商品がコンビニやドラッグストアにも並んでいる。そんな私たちの生活を潤してくれる製品は同社従業員の細かな作業やチェックにより消費者の手に届けられている。

入社2年目の金子さんは、本社のある地元土佐市の出身。金子さんの両親や親族が、同社やグループ会社に勤めていることもあり、家庭内でも仕事の話を聞く機会が多かったため興味を持っていた。高校卒業後、すぐに社会に出ることへの不安もあったが、ベテラン従業員が多くフレンドリーで働きやすい会社だと聞いて入社を希望した。配属先の部署では久し振りの女性社員の新卒採用ということもあり、一緒に働く人たちとの年齢差への戸惑いや、自分の言葉遣いなどにも自信がなかった金子さん。「実際入社してみると、聞いていた以上に馴染みやすくて楽しい職場でした」とニッコリ。
現在は本社工場に勤務し、ブランド米の米袋や、お煎餅にカステラといったお菓子の個別包装などに使用する食品包材の検品作業を担当している。およそ1ヶ月で仕事の流れを覚え、担当機械を任されて独り立ちをした。

大きなロール状の製品をスクロールさせながら、機械が検出した異物の確認を目視でダブルチェックする仕事で、この作業が終われば製品が出荷される言わば最終チェックの場所でもあるため、常に神経を集中させて仕事に臨んでいる。
また、点検中に見つけた小さな異物等は「ピンセットを上手に使い製品にムラができないよう細心の注意を払って除去しています。」と真剣。
そんな金子さんに今年は後輩ができて、指導する立場にもなった。入社当時を思い出しながら、自身がメモを取っていたノートを元に仕事を教える時間は、自分の気持ちも初心に戻りさらに気を引き締め直す良い機会にもなっている。社内ではまだまだ若手の金子さん。周りでサポートしてくれるベテラン従業員を目標に、丁寧でさらに効率よく仕事ができる社員になりたいと手元を見つめた。