三和製紙 株式会社
↑社屋前にて。ベテランから若手社員まで、約150名の社員が在籍し、高知が誇る製紙業を通して地域の活性に取り組んでいる。
伝統技術と近代技術が融合する開発型企業には
地元に貢献したい若手職員が集っている
清流・仁淀川を流れる清らかな水を使用し、土佐和紙の特性を守りながら、常に最先端の技術を取り入れ、品質向上に注力している三和製紙。平安時代を起源に、約千年の歴史を誇る土佐和紙は現代の生活においても必要不可欠な存在。
昭和37年に土佐市で誕生した「三和製紙」。創業当時は、どの家庭にもあった障子に貼る障子紙を製造する会社だった。その後、一般家庭にも普及が始まってきたティッシュペーパーの製造をスタートし、より繊細な製品技術に磨きをかけた。昨今では繊維を織らずに組み合わせたシート状の紙「不織布」の製造にも注力。現在は、パルプ入りのものやマイクロファイバー、長繊維の不織布など他社と差別化を図った商品展開で成長を続けている。
同社の製品の特徴は、どれも土佐和紙の技法をベースとしていること。農業からインテリア、建築に食品包装、化粧品や医療・衛生までその用途は幅広い。ウエットティッシュやパックをするときのフェイスマスクなど、同社の製品が使われた商品がコンビニやドラッグストアにも並んでいる。そんな私たちの生活を潤してくれる製品は同社従業員の細かな作業やチェックにより消費者の手に届けられている。
そんな三和製紙では、地元高知での雇用に力を入れいる。ひと口に製紙業と言っても、品質管理や検品・仕上げなど、さまざまな部署があり、仕事の内容も多岐にわたる。そこで、実際の現場を見てもらい、会社の雰囲気も感じてもらいたいと、「高知で働きたい」「高知の産業に携わる仕事に就きたい」という学生に向けて会社見学会を実施している。
入社2年目の松森さんも、高校3年生の時に会社見学に訪れて就職を決めた。先輩スタッフが作業する後ろ姿を見て、「黙々と作業する様子がカッコいい、私もここで働きたい」と入社を希望したという。
現在はその憧れの上司と同じフロアで勤務していて、クレンジングシートやフェイスマスクを製造する不織布の仕上げを担当している。松森さんの主な仕事は、仕上がってきた製品の検品と納品サイズに合わせて製品にスリットを入れる仕事。1人で1ロールを任されるので、見えにくい異物は見落としがないよう常に集中力が要求されてる。また、自分では判断が難しい場面も多いので、初めのうちは先輩に聞きながら作業を進めていた。スリットを入れる際は、指示書通りに製品の幅を合わせられるようになるまで時間がかかったと、去年の自分を振り返った。「とにかく回数と経験を重ねて、早く仕事に慣れるように努力しました。ちょっとでもおかしいなと思ったら、先輩に確認をして、ミスが起こる前に回避する工夫もしています」と松森さん。今は仕事にも慣れてきたので、正確な作業に加えて、スピード感も求められてきた。製品に合わせて機械の刃を交換する時などは、まだまだ時間がかかっているため、少しでも作業効率をアップできるように手際よく替えられるようになりたいと頑張っている。周りの先輩スタッフに少しでも追いつけられるよう、毎日が精進の日々。ゆくゆくは今、自分が教えてもらっているように、未来の後輩に指導できるくらいの技術を身につけて、会社に貢献できる人材に成長したいと邁進中!