三和製紙 株式会社
土佐和紙の伝統を受け継ぎ近代技術と融合させる開発型企業
清流・仁淀川を流れる清らかな水を使用し、土佐和紙の特性を守りながら、常に最先端の技術を取り入れ、品質向上に注力している「三和製紙」。平安時代を起源に、約千年の歴史を誇る土佐和紙の技術は、現代の我々の生活の中でもしっかりと存在している。
昭和37年に土佐市で誕生した「三和製紙」。創業当時はその家庭にもあった障子にはる障子紙を製造する会社だった。その後、一般家庭にも普及してきたティッシュペーパーの製造に着手し、より繊細な製品技術の向上に注力。近年では繊維を織らずに組み合わせたシートタイプの紙「不織布」の製造を皮切りに、パルプ入りのものやマイクロファイバー、長繊維の不織布など他社との差別化を図った製品展開で成長を続けている。
同社の製品の特徴は、どれも土佐和紙の技法をベースとしていること。農業からインテリア、建築に食品包装、化粧品や医療・衛生までその用途は幅広い。ウエットティッシュやパックをするときのフェイスマスクなど、同社の製品が使われた商品がコンビニやドラッグストアにも並んでいる。そんな私たちの生活を潤してくれる製品は同社従業員の細かな作業やチェックにより消費者の手に届けられている。
2024年4月から正社員として働く横山由璃さんは、派遣、契約社員とステップを踏み入社した期待の若手。元々、細かい作業が好きで、黙々と仕事ができる環境に魅力を感じていたこともあり、募集要項を見て「三和製紙」の派遣に立候補した。配属先は本社で、ロール紙の最終チェックをする仕上げの部署。初めは仕事を教えてもらいながら先輩の作業を隣で見学し、1ヶ月もすると仕事を任せてもらえるようになった。
1年間派遣スタッフとして働いた頃に、「契約社員になってみないか?」と声がかかり、その後、横山さんのまじめに働く姿を見守っていた上司による推薦があり、「正社員として頑張ってもらいたい」と入社が決まったとか。「まずは社会人としての経験を積もうと思って派遣に登録をしましたが、まさかそのまま正社員になれるとは思っていなかったです。」と話してくれた横山さん。現在も派遣当時と同じ部署に籍を置いている。
横山さんの主な仕事は、仕上がってきた製品の検品と納品サイズに合わせて製品にスリットを入れる仕事で、お煎餅などの食品包装用の紙などを担当。責任の大きい仕上げの部署ならではのプレッシャーもあり、とにかく集中力を大切にしている。紙の状態をはじめ、きちんとカットができているか、周りに困っている人はいないかと常に気配りも忘れない。1本2000m~4000mもあるロール紙を、1日に4本ほどチェックする中で、1本仕上がった時の達成感はとても大きい。 今年になって新しい台も任されるようになり、以前と比べて仕事内容も増え、覚えることも多くなったが、早く新しい業務に慣れて正確さとスピード感を持って仕事に取り組みたいと意欲的な横山さん。「今は自分の仕事で手一杯ですが、周りにも気を配りながら、後輩にも指導ができる人材になりたいです!」と邁進中!